湘南に根ざした、正統「江戸前鮨」のお店
「鮓 松笠」
タベアルキストのyuyaが担当する湘南ご飯。
今回紹介するお店は、本鵠沼の住宅街にある隠れ家・鮨店です。
こちらは本鵠沼という意外な場所にあり、さらに駅からちょこっと歩きます。
初めて訪問する際には「本当に合ってるのかな」と思われるかと…
お店に到着しても、この通り民家です。
でも、この意外性は逆に期待を高めますね!
大きなドアをノックして入ります。
玄関で靴を脱いでふすまを開けると、
カウンターわずか4席程のプレミアムシートが待っております。
つけ場との距離が近いですが、正面には開放的な窓があり、
ご主人も優しい方なので、すぐにリラックス出来ます。
この度は5,500円の「おまかせ」を頂きました。
あとは、休日なので、ビールを…
酒肴で頂いた【赤貝の肝の時雨煮】がとても美味しい。
赤貝特有の香りと肝の苦味を甘辛醤油がまとめており、ビールとの相性は格別です。
次に、聖護院大根と京人参の炊き合わせ。
味だけでなく、色合いも美しい。
こちらも綺麗な一皿。
さよりを〆てオボロと合えた一品。
さよりの塩気と、オボロの甘みのコントラストが美味しい。
上品な出汁のお椀を頂いた後、握りに移行します。
ちなみに、ご主人にお話を伺ったところ、
バブル期までは日本橋三越のそばで営業されていたとのこと。
どうりで、盛りつけや色合いが洗練されているわけだと納得しました。
この後の握りも古い江戸前仕事を感じさせるラインナップです。
一貫目が大トロで驚きました。
濃厚な脂が広がりますが、鮪の香りもあって美味しい。
墨烏賊、穴子と続きます。
面白い流れですね。
赤貝、小鰭。
小鰭はやや強めの〆加減ですが、香りと旨味をしっかり楽しめます。
さっぱりと漬けた鮪の赤身も良かったですが、相模湾ものの平目が中々美味しい。
江戸前の仕事があるお店で、地物のタネを頂けるのは嬉しいですね。
冬の代表格、さより。
凛々しいさよりにオボロの化粧。
見た目だけでなく、味わいも凛々しいです。
甘みの奥に蛤の香りと苦味が漂い、煮ツメが味わいを深めます。
さらにもう一貫、大トロ。
嬉しい!
厳冬で美味しくなってきた平貝と雲丹。
平貝の優しい甘みの後に、雲丹の濃厚な甘みを楽しめます。
最後に巻物です。
鉄火巻きに加えて、特製の太巻き。
干瓢や椎茸の甘みに加えて、卵、平目オボロの異なる甘みが一体化。
シャリの酢とピッタリ合っていて、満足感を高めます。
デザートはリンゴのシャーベット。
爽やかにほっと一息。
こぢんまりとした空間ですが、それが一層リラックスさせてくれます。
堅苦しい会ではなく、大切な人と伺いたい鮨店。
湘南でお鮨を食べたくなったら、是非訪問してみてください。
お鮨は昼、夜ともに、お任せ以外に、
松¥2,500円、竹2,000円、梅1,500円とあります。
ご夫婦お二人で回されており、仕入れの都合もあるので、
事前にご予約のうえ訪問されてください。
住所:神奈川県藤沢市鵠沼桜が岡2-2-6
営業時間:毎週水曜〜土曜日のみ。昼夜営業。
電話番号:0466-28-9991

料理も愛するタベアルキスト。鮨、日本料理、中国料理、エスニック料理が特に好きです。ネットやメディアの情報だけでなく、信頼出来る友人や料理人の方の情報も参考にして食べ歩いております。美食との出会いは人生を輝かしくするものだと思いますので、ご参考になれば幸いです!
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