明治時代のベストセラー小説にちなんだ、カレーライスを再現したカレーパン
「髙久製パン」
著者撮影
タベアルキストのスダカエーが担当する湘南ごはん。
「オススメのお店ありますか?」を合言葉に、人と人がつなぐ湘南の素敵なお店を食べ歩きたいと思います。
今回は、美味しいカレーパンがあると聞いて、平塚に立ち寄りました。
大正13年(1924年)創業! 平塚老舗のパン屋
向かった先は、東海道線の線路沿いにある「髙久製パン」のパン工場です。
著者撮影
平塚や茅ヶ崎育ちの方なら、おそらく学校給食で口にしたことがあるのではないでしょうか。大正13年(1924年)創業というから、パン屋の中でもかなり老舗ということになります。
村井弦斎の『食道楽』にちなんだカレーパン
その「髙久製パン」が創業する少し前、明治時代の後期に村井弦斎の『食道楽』という小説がベストセラーとなりました。
西洋料理、日本料理、中国料理など、ジャンルを問わず630種ものレシピをストーリー中に織り込み、巻末には食品成分表までも掲載するというその実用性は、単なる物語ではなく食育小説といわれ、当時の世間を驚かせました。
著者である村井弦斎は平塚に居を構え晩年まで過ごし、平塚は「村井弦斎ゆかりの地」と呼ばれるようになりました。
その村井弦斎の名前をかぶせたのが、今回お目当ての「弦斎カレーパン」。『食道楽』に紹介されたレシピを生かしたカレーの入ったカレーパンです。
著者撮影
(弦斎カレーパン 180円)
小説の中では骨付き鶏肉にゆで卵やチャツネ、大蒜、タマネギ、ココナッツなどを使ってカレールーを作っていたので、おそらくそれを再現アレンジしたものではないかと思います。
口当たりはフルーティーで甘く、後味ほんのり辛さがあとひく、コク深いカレーです。
著者撮影
さらに『食道楽』の中では、カレーを食する際に添える薬味を重視した記述があります。それを倣ってか、「弦斎カレーパン」の中にはカレーだけでなくて福神漬けまで入ってます。
そして、そのカレー餡を包むパン生地にはお米を混ぜていて、パンひとつでカレーライスを再現するという試み!
揚げたてサクサクカリカリでありながら、生地はお米でもっちりとしています。
揚げたてを買って、すぐその場でこの食感を味わってもらいたい、そんなとっても美味しいカレーパンです。
高久製パン(株)本社工場
住所:神奈川県平塚市老松町10−18
営業時間:9:30〜17:00
電話番号:0463-21-2614
URL:http://takaku-pan.com/

徘徊系オープンゲッター。 フードアナリスト。年間400件以上の食べ歩きをする「タベアルキスト」で、主にカフェ・スイーツ担当。ニューオープンや話題の店にいち早く足を運ぶのが趣味。ミーハーなグルメ情報はblog【ミーハーグルメ~ごはんの時間なので帰ります】 http://mealafter5.blog.jp/ にて。
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