鎌倉で最も美しいと言われる石畳と四季折々の景色を楽しむ
「寿福寺」
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総門をくぐると、苔と高い木々に囲まれた自然いっぱいの美しい参道が延びている。春は日差しが温かく、夏は緑に色づいた木々と雨に濡れた苔が輝き、秋は紅葉、雪が降る冬の日にはまた違った表情を見せる。
北条政子が眠る 由緒正しき国の重要文化財
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『寿福寺』 は鎌倉駅西口から徒歩10分ほど、裏小町とよばれる人通りが少ない通りを直進し、鶴岡八幡宮に向かって歩く途中に見えてくる。非常に小さなお寺だが人力車でも必ずといっていいほど立ち寄る、由緒あるお寺のひとつだ。
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かつて源義朝(頼朝の父)のお屋敷があった場所に、北条政子が頼朝の冥福を祈り建てた寺。北条政子の墓も裏手にあり、国の重要文化財にも指定されている。境内は非公開、特別拝観日のみ立ち入ることが出来る。
そのためか、総門の前に立つと不思議な空気を感じる。
参道を通じてまっすぐと風が吹くような感覚、人も少ないため木々が風になびく音や鳥のさえずりが境内に響き渡り、神秘的な空気に包まれている。
鎌倉で最も美しい石畳
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正方形にかたどられた総門からのぞく景色は非常にフォトジェニックだ。
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鎌倉で最も美しいと言われている石畳。
誰しもが一度は総門の前で一度は立ち止まり、四角い枠からその景色を覗きこむ。特にオススメが夕方ごろ。日差しも落ち、草木に反射する光と静けさが心惹かれる風情を感じる。
中門より先の境内は普段は非公開だが、お正月やゴールデンウイークなど連休期間中は年に数回公開される。仏殿や立派な庭園はまた趣きが異なるので、タイミングが合えばぜひ覗いてほしい。
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寿福寺の参道には「俳句ポスト」とよばれる木のポストが立っている。
俳句ポストは鎌倉をハイクしながら俳句をよもう、というテーマで鎌倉市内約30箇所に設置されている。散策中に四季折々を十七字に詠み気軽に投稿できる、市民や観光客にも人気のポストだ。参道を歩きながら感じる四季の彩りを、ぜひ十七字に込めて投稿してみては。
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寿福寺は鶴岡八幡宮や銭洗弁財天など、主要な観光スポットの途中に位置しているので、ふらりと立ち寄ることができる。
家族連れや友人同士、1人の時も、この景色を眺めてから鎌倉を観光するととても気持ちがよいものだ。参道だけ、されどこの美しい景色は最も鎌倉らしい場所でもある。
寿福寺
住所:〒248-0011 神奈川県鎌倉市扇ガ谷1-17-7
営業時間:無休、拝観自由

ライター。日本文化と食と寅さんを愛する87年生まれ。47都道府県を制覇、サブカルチャーから伝統文化まで、各地で出逢った“美しく、面白い日本文化”をライフスタイル誌等で執筆。フリーペーパーKAMAKURAにも在籍、鎌倉を中心に湘南のスポット&イベント情報をお届けします。
URL:http://yokoyamy.tumblr.com/